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 大正旅館に到着したのは、予定よりだいぶ遅れていました。「こんにちは」と声をかけると「お疲れ様!!。お風呂沸いてますよ」。宿の女将さんは小さいからだですが、声はおおきい方です。とにもかくにも、風呂してビール!です。三つのユニットバスがならんだお風呂はどれもきれいに掃除されていて、真ん中のユニットの戸がすこし開いてあって、冷たいシャワーをしっかりかけて、湯船に。これが一番の極楽です。
夕食のとき「どうして、ここで旅館なんです」と宿泊をお願いしながら不思議な質問をしました。ここには昔、郡役場があって、中学校もありました。西城と東城をむすんでバスが走っていて、それを利用する人たちがここに泊って、翌日一番のバスで出かけたものです。隣もその隣ももとは旅館でした。うちは、すこし内装をかえたりしたので、続けているのです。
ふと小学校の夏休みを思い出しました。母の実家が芸備線の吉田口駅から歩いて一時間ほどの谷間にありました。そこへ墓参りに母がゆくので、いつもついていってました。小さな駅につくと、客待ちのタクシーにのって、実家へ帰るのですが、幾日か泊ったあとの帰りは徒歩です。けっこうつらかった。みんな歩きで移動してた時代があるのです。そうなると、朝一番のバスには、宿とっておかないと、間に合わないってことも考えなくちゃいけない。そうなりゃ、宿で一杯ヤッカ!ですよね。
この「大正旅館」は駅前の旅館だったのです。ひとりで二階の部屋にあがって、缶ビールやってると「駅 STATION」の港町の酒場の桐子の涙の場面思い出して、舟歌なんぞ・・・。うとうとしてると女将さん、下から「土井さん、パンクしてますよ!」だって。
旅館は、すみずみまで掃除されて、お願いしずらかった早朝の飯も「遠慮してはいけませんよ。うちは6時に弁当もって仕事ゆくお客さんがたくさんおられるのですよ」と用意していただいた。大ビンのビール2本やって、缶ビールも飲んで、お盆だからと、おはぎもいただいて、朝夕うまい飯つくってもらって、料金払うとき、「これじゃ、いけんでしょう!」と。ずっと以前に少年たちが、ときどき自転車旅行でおとずれたそうです。女将さん自転車通学が2時間ほどの距離往復してたそうです。だから、まけてくれたのでしょうか?大正旅館0847740351
です。
   
   
 

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