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index≫銀輪旅日記
 

③ ウエストバックに野外用こんろと小さな鍋、調味料を突っ込み、瀬戸内の地元であがった魚を食べよう、と、因島へ走った。
 海に囲まれた島でも、魚屋さんは意外に少ない。因島の南の三庄には「主人は地元漁師」がキャッチフレーズのお店がある。そこで小魚を手に入れ、波止場で煮魚を始めた。
 目の前に、春の海がキラキラ広がっている。沖で船がゆっくり動いている。魚はプリプリだ。ふと、強い視線を感じた。振り返ると白装束の男性のスタスタと後ろ姿。今日は島遍路の縁日だった。
 旧暦三月十九日から、瀬戸内の各島で遍路が始まる。二十一日までの三日間。因島は行程約八十㌔の八十八カ所霊場がある。歩けば三日かかるそうだ。その路地には、「へんろみち」と書かれた、小さな白いみちしるべの短冊が揺れる。
 煮魚が殺生になるのかどうかは分からないが、なんだか気後れがする。鍋をしまい、「今日は臨時お遍路さんだ」と、へんろ道へ走りだした。
 造船所のある町のへんろ道は、これでもか、と続く急坂。展望が一気に開けた。造船所が小さく見える。この高いところにお寺がある。道の石垣にお地蔵様がおられる。お地蔵様の前にはお菓子がてんこ盛り。これが、「ご接待」なのか。おいしそうだな。
 ミカンの木々の間の辻堂の中から、「ミカン、あるよ」と声がかかった。その声とそよ風で汗がひいた。気分が軽くなった。

(広島県自転車競技連盟前理事長・サイクルフォーラム代表=広島市)
 因島へんろ道・船頭みち
 
 田熊のへんろ道は山へあがっていってます。たくさんの石仏と小さなお堂にびっくりします。山沿いに古道をたどると椋浦にでます。椋浦は江戸時代内海屈指の港で北前船の基地なんだそうです。その時代に、田熊から船頭が通った道です。すこし冒険です。
     
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