走る自転車コース 宮本常一を走る --周防大島(山口)-- コース7 詳細ページ | |
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コースリポート | |
竜崎温泉をスタート,ゴールに。橘町の役場に向けて走る。港をぬけてすぐに三叉路を右にはいる。安下庄小学校の側の道になる。 「安下というのは揚・アゲのことで,浜または浦に対する言葉である。内海の島々では山麓の農業集落をアゲまたはオカと言ってるところが多い。 安下庄はそのアゲがそのまま地名になったのであろう。そのアゲの海岸にささやかな農業集落ができ,やがて大きく発展してくるのである。 富んでいてそうなったのではなく,貧しさの中でそうなていた。宮本 常一」 「どうして,ここに大きな集落ができあがったのか不思議といいたい。ただここには漁業があった。周防5浦の一つであった。 安下浦,久賀浦,室津浦,上関浦,室積浦で,藩から特別に保護された漁浦であった。漁浦といってもイワシ地引網を中心としたところであった。 17世紀の初頭の文章を読むと安下庄は地方・ジカタと浦にわかれており,浦には漁家が33戸あり, それも砂の上にあって野菜一つもできないようなところであったという。 それがなお保護せられ,お立浦とよばれていたのは,朝鮮征伐の加子として出て行った為かもわからない。宮本常一」 学校をすぎ家々の間をぬけると,広い車道はゆっくりと高度をあげだす。天神さんの社をすぐるころから一面のミカン畑をぬけてゆく。 海にむかっても平地もこい緑のミカンの木がいっぱいになっている。こも道よりももう一つ山側に古道がある。 学校をすぎてすぐの四つ角を右に入って上り詰めるとこの古道になる。明治37年の地図で今の源明峠よりもう一つ山側が源明峠になっている。 峠のトップはいまは源明山の南側だが,地図では北側になっている。じつはこのルートを以前MTBではしったことがあった。 安下庄の後ろにそびえたつ嵩山とそれにつらなる喜納山,源明山,文殊山には縦走のルートがあって, 地元では瀬戸内アルプスなどと名付けられている。喜納山から源明山までの鞍部にすこしゴーロになった道がけっこうな巾でつづいていた。 タイトルにいれたひもじい様はこちらにあるのだろう。この古道も山へと入る分岐から,走っていく車道につながっている。 この合流する集落が安下とあるから,古くはここらが農業集落の中心であったのかもしれない。家々は山の斜面に点在している。 車道はいったん新しくつくられているおおきな車道にでてすぐに右に入る。 道路脇にある民家はおおきな石垣の上でさぞかし見晴らしがいいだろうと思う作りになってる。工事中になってる道がいき止まる。 人家の玄関にあがってゆく道をのぼる。道がおおきなターンの曲りから小さなお堂がある場所からいっきに斜度があがってくる。 道幅もせまく茂みの中をきついけど同じ斜度であがってゆく古道に,ツバキの花や山桜やイガ栗やら, たくさん落ちてすこしウエットな路面になってくる。斜度も大きくなっては曲りと繰り返す。 峠のトップをすぎると疎林の木漏れ日のなかのダウンヒルが始まる。路面がウエットで斜度がきついぶん下り疲れる。 ままよと降りて自転車をころがせる。静かな森はとても島にいるとはおもえない。歩くっていいもんだね。といきなり工事中の車道の側にでてくる。 つらいけど,どこかなつかしい古道をぶちきられたような残念さがわいてきた。 自分には斜度といい距離といい,古道の雰囲気といい,満足感がいっぱいなヒルクライムと歩いた下りのエンデュングが残念だと。 車道側に古道の入口がみえる。ここが笛吹峠。ここからの下りはあかるい海を側面にのぞくようにつづらにくだってゆく。 路面は少し荒れ気味でも,降りるって程ではなかったようで,なんとかミカンの畑の間をクネクネと転げ落ちた。 集落の間の道をとばさないで,路地までくるくるとはしってゆく。 今は使われない石風呂や海岸の墓所へ数十体も並べられた,赤いエプロンのお地蔵さんやらと,家房の集落はふるびて, 風雨にしっかりさらされていた。海岸の車道を東へと走る。次の江頭の集落の中ほどから山へと入る旧道をのぼる。 山麓の集まった集落の中央にお寺がある。秋という集落になる。 「底広く海に向かってひらいた谷に発達した散村で,村の真中に永明寺がある。 ・・門をでて海岸へ足を向けた。このあたりの田には大抵一つずつの井戸がその真中に掘ってある。 井戸の多いのは,ここと下田の一帯だろう。旱天がつづくと,はね木がたてられて,水がくみあげられるのである。 井は一辺二間ぐらいの正方形,または長方形,または円形もあり,深さは二丈から三丈に達するものもある。 井壁はすべて石でたたんである。宮本常一」 寺正面から次の分岐を左にはいると山麓にお宮をみて海岸にでる。そこが吉浦,小さな登りを下ると大泊とちいさな家の塊をすごして走る。 次に左に入る旧道がみえる。ここから安下庄の西端をぬける。 途中小山の八幡神社をみて,山際につづく旧道を走り,小さな川にでると下りにはいる。源明峠の登りでみたひろいミカン畑の中を走っている。 川沿いに海までくだると市街地に入る旧道を左に。新しい車道をとらず,旧道を走ると左手に中華そばのたちばな屋のくもったガラス戸がある。 窓にギョウザと張り紙がもうおちそうな風情だ。店はテーブルがはなんで,おおきな衝立もあるから,座敷もあるのだろう。 お客は店の横のドアをおして台所をぬけてはいってくる。ソバと三つなんて注文が続く。けっこうはやっている。 しかし三つ,二つってなんだろうか?と注目していると,中華ソバにお稲荷さんがでてくる。 そんな取り合わせか・・フムふむ。と店内を見渡すと壁には古いビールのポスター。 反対側の壁びは古雑誌,古新聞が崩れそうに積み上げられて,それを隠すように布っきれがばっさり,斜めにかけられて・・。 ソバもおいしかったけど,店がすっかりお気に入りです。ビール呑んでも温泉はすぐそこ!! |
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