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index≫銀輪旅日記
 

⑥ 出雲大社から平田へ向かうと、山すその少し高いところに古道が続く。居並ぶ民家も古びてて、次々に現れる神社は出雲風土記に記載されているというもの。鎮座する神々は奈良時代からの歴史のお墨付きだ。出雲には古代が現存する。
 小さな竹林の登りを過ぎ、落ち葉にうずもれている下り坂に、自転車が差し掛かる。出雲国造が死去されたとき、赤い牛に乗せ菱根池へ送った伝承は この辺り。古道は勾こう配をリズミカルに繰り返す。地元では天平古道と呼ぶ。自転車が気分よく走ってくれる。天平の音楽のリズムが聞こえたかな。
 斐伊川は江戸時代、洪水で宍道湖に河口を変えた。川跡かわあとという一畑電鉄の駅名が名残だ。ここで古道は国道に吸収され平田平野へ。その後、山際に向かう道になる。
 旅伏山の尾根の端に、小さな鳥居がある民家を見つけた。鳥居の内側は木製の玉垣で囲まれ、中には丸い小石が積み上げられる。それがご神体のよう だ。ここに祭られるのが、国引き神話のヤツカミズオミミコト。要石かなめいし神社だ。引き寄せた四つの土地を小石で押さえる一点がこの社。島根半島 はこれでもう漂流しない。すごい構想の迫力が、小さな空間にこもる。
 短い距離なのに、おなかがすいた。長い長い、時間のトンネルを走ってきたからか。一畑電鉄は自転車を折り畳まず、そのまま乗せられる。松江しんじ湖温泉駅のおでん屋さんが浮かんできた。

(広島県自転車競技連盟前理事長・サイクルフォーラム代表=広島市)
 
 
 
 
出雲大社/工事中
 
道端の景色です
 
   
 
要石神社 
 一畑電鉄には、自転車そのままで持ち込めます。料金は300円。  
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