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⑦ 漁村の路地は狭く、農村の道は一間の幅。浜で作業する人々と、自宅の庭で作業する人の生活のありかたの違いだ、とは、生涯、歩いて全国の集落を訪ねた宮本常一さんだ。集落の違いが生活の違いを映し出している、って、すごい観察力だ。 留守を預かる子供の息遣いが隣のおばあさんに聞こえることで、親たちは安心して海に出られるのだ、と常一さん。昔は夫婦が船に乗っていた瀬戸内の集落で、路地の狭さを、おばあさんの温かさと感じたことがあった。 歩いて、話して理解してきた常一さん。自転車で走ると、人と話すことが少ない。それでも、集落の広がりはパノラマで見ている。道の登り勾こう配が尽きる峠は集落の境界。その区分をはっきり実感でき、一緒のように見えていた景色が違って見えてくる。 宮本常一さんが、故郷周防大島の道を話している。旧道だけを歩ける小松から久賀までの道などを挙げながら、くぬぎ林から見える海や島々の美しさとその楽しみ方を説く。 「歩きなさい」って常一さんの声がするようで、自転車でこの道をたどることに、少し躊躇ちゅうちょがあるのだが、楽しい気分を共有してると思い、うれしくもある。 久賀に入ると、旧道は海岸と山の間にフラットに伸びる。ガードレールもなく、まるで自転車が飛行機になったように思える。道幅もしっかり。怖さもない。開放感が楽しい。海が輝いている。この道は今も健在だ。 (広島県自転車競技連盟前理事長・サイクルフォーラム代表=広島市) |
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宮本常一さんの道は、尾根直登が多くて、ブッシュにもなってます。 登った高度を落とさない心構えでさがした道です。 |
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